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童話   ケン太と花びら

2009/06/29
庭のコスモスが 風にゆれて  花びらが すみきった秋の空に 舞い上がりました。

「おかあさん ももいろの庭になったよ」 というと ケン太も風におされるようにして はしりなが

ら花びらを 追いかけました。  


花びらたちがたどりついた ところは、海のみえる 砂浜でした。潮のにおいが プーンとただよ

ってきます。花びらたちは 砂の上に ヒラヒラ 舞い降りました。ケン太もいっしょに 砂の上に

すわりました。

砂の上に小さくてちょっと 黒いしじみ、うすももいろのさくら貝、それより大きな ハマグリ

とあさり さまざまな形をした綺麗なまき貝、そして細長いまて貝が 並んでいます。

ケン太は思わず 

「きれいだなあ」と つぶやきました。しばらくすると 貝たちが かすかに おしゃべりを

はじめました。

「ケン太くん こんにちわ わたしたちの 踊りをみてね」

「ほんとうに 踊るの」

「もちろん ケン太くんのために」

と言うと 貝たちがおどりはじめました。

さくら貝とまて貝は ぺア になってバレー  しじみとまき貝は 輪になって 盆踊り

はまぐりとあさりは 交互になって フラダンス。


しばらくすると 花びらたちも貝のおどりにあわせて  ヒラリヒラリ おどりはじめたのです。
 
ケン太は「わあー かんげき 僕もいっしょに おどろう」

ザブザフ パシャリパシャリと 波の音。

キュッーキュッーとおどる貝。

それらが ハーモニーになって 生まれる音楽

しばらくすると はまぐりが

「ケン太君 もう夜になったよ。私たち眠るからね」 

と 言ったかと思うと 貝たちは おどりをやめ 砂浜は静かになりました。

花びらさん きっと 貝たちと 砂浜でねむるんだろうなあ。

ケン太は 花びらにさようならをしょうとすると

「ケン太君 ケン太君の庭に一緒に帰ろう」

と言って 空中に舞い上がりました。

「わあ ありがとう」


ケン太の胸はあつくなりました。月の光にてらされて 花びらは くっきり うかんで見えました。

花びらの進む 方向にケン太はこばしりに 走りだしました。

胸はずむ ケン太は 時間を忘れて 走ってもとの庭に帰ってきたのです。

 ケン太は、今日あったことを コスモスの咲いている庭で お母さんに話しました。

お母さんは、

「よかったね。神様がケン太にくれた 贈り物かもしれないね」

「ぼく コスモスの花びらみたいに、空を飛びたかったな」

「いつかきっと、飛べるよ」

とお母さんは微笑みました。

ケン太は

「ぼく こんどは はなびら と一緒に 空を飛ぶよ」


コスモスは わかったよ というように 花びらをいっせいに ふるわせました。


                                 おわり




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20:05 つれづれ | コメント(0) | トラックバック(0)
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